文字書き考察女の呟き。

空想法律読本的に影響されて進路が狂った過去がある。オタク。

「日本が恋人」の公安警察官、降谷零について考察してみる。①

※ 以下、原作最新刊、映画、ゼロティ等のネタバレ含みます。

 

 

前置き(飛ばしてくださっても大丈夫です)

 

 「日本が恋人」の公安警察官、降谷零と言えば、

  • 色黒肌と色素の薄い髪に、たれ目に青い瞳が特徴的なベビーフェイスのイケメン(但し作者・青山先生曰く童顔に書いているつもりはないらしい)。
  • 潜入捜査中、「安室透」を名乗り、探偵(助手)をしているだけあって推理力や洞察力はコナン君と張るほど高く、また、情報収集力に至っては作中屈指(と私は信じている)。
  • コナンくんが出したSOSのメッセージが風に飛ばされた際も、風向きとビルの並び方から探し出すという「おま、マジ?」な能力を持っていることは序の口、テニスやスキー、ボクシング等、何でもできる。
  • 料理の腕前に至っては、本職のパン職人が「レシピを教えてくれ」「うちで売らせてくれ」と頭を下げるほど(アニオリ/ゼロシコの前夜のエピソードに出てくるケーキも美味しそうだった)。
  • 猫の生態にも詳しい(猫好きが多い日本人オタにとってはポイントが高い)し、潮干狩りの仕方も知っている。
  • ギターも弾けちゃう。青山先生曰く音痴疑惑があるけどそこも可愛い。「友達と演奏したくて覚えたんだ」というのも可愛い(ゼロティ)。
  • 野球までできちゃう(ゼロティ)。
  • ドラテクが凄い。ライテクも凄い(ゼロティ)。
  • 爆発物の処理だってできちゃう。
  • 警察学校ではオールAの秀才で、総代も務めていた(総代を務めた人は出世コースに乗るよ!)。部下に拳銃指導をするのもお茶の子さいさい(ゼロティ)。尾行を巻いたり盗聴器を発見したり公安警察官としての腕もピカイチ(ゼロシコ等)。
  • 「(アラサーなのに)ポアロの常連のJKに大人気で」で、「ポアロではモテモテ」。

 とまあ記憶をほじくるだけでこれだけ出てくる出てくる、降谷零の魅力(本当に何も参照しなくてこれだけ出てきます。レイ・フルヤ凄いぞ)。

 だけど降谷零は「チートキャラ」ではない(と私は思います)。

 警察学校編では、「降谷零は何でもできるけど個性的なほかの四人に比べて特筆すべきがない」人に見えるし、「爆発物処理をはじめとする技術系」は松田から、「安室透の人当たりの良さ」は萩原から、「面倒見の良いところ等」は伊達から、「ギターの演奏技術や料理の腕前等」は景光から吸収したことがうかがわれる。

 これらを総合すると、「ああこの人は元々努力家ゆえに"秀才"だったけど、仲間を背負って血反吐を吐くほどの努力をして"鬼才"になったんだな」と思わせられます。

 ※ ただ、トレーニングは河原やどっかの階段でではなくジムでやってほしいぜ(ゼロティ)。

 

 ……まあ、それでいて、警察官に成った理由は、「エレーナ先生を探すため」だったけど、それを抜きにして「日本が恋人」と言えるほど日本を愛しているところが尊い

 ここが「公安警察官が1を捨て99を守る、国家の安寧と秩序を守る人間」であるゆえんですね。

 

 とはいえ、降谷さんのように大卒採用の警察官は交番勤務の巡査(=アヒル)からスタートするのが一般的。かつては交番のおまわりさんとして、「一般市民を守る」ことをまずもって職務としていたと思います。

 「でも公安に配属された以上……」と、恋人を「一般市民」から「この国」というさらに大きなものに変更させたところが尊い

 もしかすると、当初は景光と一緒に公安(警察庁、警視庁の違いはあったかもしれませんが)に配属されたことからその重圧はさほどなかったかもしれません。しかし恐らく景光が亡くなってしまったあたりからは、重圧に押しつぶされそうになって眠れない夜もあったんじゃないかと思います。だって、普通に考えて三つの顔を持ってその全ての仕事を熟すのは厳しいでしょう。

 それでもね、死んでいった仲間(景光や松田や萩原)が守ろうとした者も含めてすべて守ってやるさという決意を固めたレイ・フルヤがもう胸が張り裂けそうなくらい尊い。 ※ ちなみに交番巡査時代にゼロシコ的展開があったとしたら、「僕の恋人はここにいる(守るべき)全員さ!」と言っていたと思います。尊いキャッ、浮気もなんて野暮なことは言わないわ、全員まとめて抱いてくれって感じですね。

 

 彼を支えたのは「何」だったのでしょうか。

 勿論エレーナ先生を探すというのもあったかもしれません。エレーナ先生の忘れ形見を(せめて妹の方だけは)守りたいというのもあったかもしれません(ちなみに私は、レイ・フルヤは、ミステリートレインのあの一件の際、「シェリー」を保護しようとしていたのだと思っています)。

 勿論、上にあげたように死んでいった仲間が守りたかったものを全て僕が守ってやるという思いもあったと思います。

 ただ、個人的には、「日本人離れした容貌ゆえに虐められていて、"ボクは日本で生まれて日本で育った日本人だ!"という意識が強かったこと」が要因としてあるんじゃないかと思っています。僕は日本人だ、そういう意識が強くて、公安に配属になって国を守るために闘えと言われたときにストンと来たんじゃないかな、と。

 

 

小括

 

 さて、前置きが長くなりました。そういうわけで、降谷さんは「元々努力の人ゆえに"秀才"となった、しかし仲間を背負って"鬼才"となった(であろう)」、「元はエレーナ先生を守るために警察官と成り、"市民を守ること"を職務としていた、しかし今は"国を守ること"を職務として背負い、エレーナ先生が遺したものを含めすべてを守ろうとしている(であろう)」、ということを踏まえ、以下、降谷さんのキャリアについて考察していきたいと思います。

 

 

降谷さんは高卒? 大卒? 大卒で20代で警部に成れる?

 

 これはもう、答えが出ていますね。警察学校編で、「大卒採用」、22,3歳の時に警察学校組の皆と出会ったということが発覚しています。

 ただ、何の情報も出ていないときは結構ここ、悩んでいました。風見警部補が降谷さんの部下である以上、降谷さんは恐らく警部以上だと予想されたからです(実際、その後、降谷さんは警部であるということが発覚しています(JUSTICE PLUS SDB))。

 

 高卒採用だと、

  • 巡査スタート
  • 採用後、大卒資格を取得して、抜け穴的に同期たちより早く巡査部長に昇任 ※ そういうこともあるそうです(参照:濱 嘉之『ヒトイチ』)
  • 本部(警視庁)に異動して公安配属に。25歳前後で警部補へ昇任(居直り昇任)
  • 29歳にして警部に昇任、警察庁に出向

 というキャリアもまあありえなくはないかなと思っていたんです。秀吉も真っ青な出世の仕方ですがまあ降谷さんですし。

※ 上記「抜け穴」による恩恵を受けられるのは「巡査部長の昇任試験を24歳以上で受ける高卒警察官」に限られるようです。つまり、高卒(18~19歳)なら4年以上の勤務実績があれば巡査部長の昇任試験は受けられるので、全く意味がないことが発覚しました。

 

 でも、大卒採用らしいじゃないですか。そういう抜け穴は無いんですよ。どんなに頑張っても「警察学校」(=ノンキャリア警察官が通う)に通っていた警察官は、30代じゃなきゃ警部になれないんです(それでも最短!)。警察大学校」(=キャリア警察官が通う)に通っていた警察官なら別としてね。準キャリでもあり得ますが、降谷さんたちは明らかにノンキャリだし(準キャリだったら「警察学校」ではなく、「関東管区警察学校」に通うことになる)。

 

(参照) 警部への昇任試験に学歴の差はない。最速の場合は30歳代で昇任することができるが、そういった例はごく少数に留まる。

警部 - Wikipedia

 

 

降谷さんは「警察学校」を出たノンキャリアの筈なのに、「キャリア」?

 

 ……ただ、ここからが本当の本題。

 実は、ゼロの執行人が映画になった際、映画情報誌に、なんと、「降谷はキャリア」という記載があったんです。対談の際にぽろっと出た発言で、公式じゃない可能性はありますが。

 青山先生からはその後、「矛盾はあるとは思いますが脳内で補完して」というようなコメントが出た記憶があります。

 だから考察(妄想)すっぞ~!!!!! 実は私、警察オタクでして!!!!! 結構警察小説とか読んでいるので、ここで私の警察オタク知識、役立てます!!!!!

 

「降谷さんはキャリア」発言の謎~警察庁に出向になった=キャリアと言っている?~

 ノンキャリアの警察官も、出世コースに乗っている人だと、所轄署から警視庁に異動になるだけでなく、警察庁に出向にすることになるというパターンがあるようです(これも、前掲「ヒトイチ」での知識)。

 20代、30代で出向する人もいるとか。そういうわけで、そのことを言っている可能性もあります。ちょっと時代と制度が違いますが、イメージは「相棒」の神戸くんですね。ただ神戸くんは当時「推薦組」制度があったからするする出世したみたいですが、今は無実化しているみたいなので。この場合でも、20代で警部になっているのに説明がつきません。

 ……でも「警察庁に出向になっている」のは確実。だって警察庁警備局警備企画課所属だもの。だから、次以降のどれかを付け足していく必要があります。

 

無実化された推薦組制度を引っ張ってきた? 或いはそれに似た制度がある?

 あり得る。無実化した制度を持ってくるほど降谷さんが優秀だったとかしたらね。独自の制度があったとしてもそれはそれで面白い。

 

国家公務員試験を受け直して警察庁採用になった!?

 例えば降谷さんが東大等の国立大卒或いは有名私大卒だったけど、「現場の警察官に成りたい!」と思いノンキャリアの警察官採用試験を受けていた場合。そして上司から、「現場に出してあげるから国家公務員試験を受け直してキャリア警察官に成りなさい」とヘッドハンディングのようなものをされてそれに従っていた場合。29歳にして警部というキャリアはあり得ます。

 ただ、「キャリア警察官が果たして最前線に出て潜入捜査をするか?」と言われればNOなのではないかと。しかし潜入捜査終了後の将来を見据えて上司からヘッドハンディングされたのかもしれない。

 

上層部の手回しにより警部と成った/キャリア警察官扱いにされている

 次に考えられるのはこれですね。降谷さんがあまりにも優秀すぎて、警部補以上の権限を与えたいと思って公安の手回しによって警部に昇進させたパターン。なくはない。だってフィクションだもの。

 現実的にも、公安の上には警視総監や警察庁長官を狙えるポストが多いらしいから結構コネとかあるんじゃないかなと。それでなくとも、公安警察官の中にはなぜか警視総監と仲良し♡みたいな謎な人物もいるみたいですし。公安警察官が持っている情報を使って出世したくて公安警察官を「秘蔵っ子♡」にするお偉いさんもいるみたいですし。なくはない。

 若しくはその進化系で、いっそキャリア警察官扱いにされたとかね。ただキャリア警察官、同期が20人しかいないとかいう世界なので(今野敏「隠蔽捜査」など参照)、「同期とされているこの男知らんのだけど!?」とか思われてたら面白い。

 ただ、ゼロのトップ、通称「裏理事官」にはキャリア警察官がなるのが通例で、その時だけ警察からふっと名前が消えるから、キャリアの同期たちからは「アイツ今あの部署にいるのか」と丸わかりだという笑い話があるので(これも「隠蔽捜査」から(だったと思う))、それはそれで「あったら面白い」話だと思います。

 ※ ここで不思議なのは何で降谷さんの名前がデータベースに残ってるのか、なんですけどね(「緋色シリーズ」、「純黒の悪夢」)。消したれよ。

 

二階級特進パターン

 殉職してないけど。殉職してないけど!

 ただ、誉田哲也さんの「ジウ」で、「二階級特進した同僚」を引き合いに出して、「アタシもおんなじくらい活躍したでしょ?」と、まあ色々「取引」の末に、殉職していないのに「一階級特進」したキャラクターが出てくるんですよね。そういうパターンだったとしても面白い。

 景光二階級特進したのか潜入中の身であったがゆえに闇に葬られたのかは分からないけど、前者だとしても後者だとしてもそれを引き合いに出して上層部に一階級特進を交渉するレイ・フルヤ……ありですね。

 

小括

 これくらいかな。

 

 

まとめ

 私が考えつくのはこれくらいでした。他にも「こうじゃないかな」というのがあったら是非教えてください~! それについても一緒に考察していきたいです!

 

 そして、この記事、①と書いてあるので一応続きを書くつもりでいます。

 次は、具体的に「こうだったんじゃないかな?」と深く考察していったりしたいと思います!